Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
そう言って、由羅が腰を上げると…。


ズルッ!!


昨日降った雨のせいか、濡れた草に足を取られ、由羅は誤って足を滑らせてしまった。

着物で、思うように体勢を整えることができず…。


「…きゃっ!」


小さく悲鳴を上げた由羅の体は一瞬宙に浮かび、そのまま尻餅をついた。


「大丈夫かよっ!?」


竜之助は驚いた顔を見せ、由羅にすぐさま手を差し伸べた。
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