Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「…大丈夫、ありがとう」


由羅はその手を握り、竜之助に支えられながら上体を起こす。


「椿って運動神経いいと思ってたけど、実はおっちょこちょいなんだな!」

「失礼ねっ。悪い方ではないわよ」


由羅と竜之助は、顔を見合わせて笑う。


ふと竜之助が、由羅と繋いだ手に目を移す。


「そういや、椿の手…」

「…え?」


竜之助は、握った由羅の手をまじまじと見つめる。
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