Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「なに見てるのよ、恥ずかしい…!」


由羅は手を振り解いて、自分の後ろに隠す。

そんな恥ずかしがる由羅を見て、竜之助がポツリと呟く。


「キレイだよな」


優しく微笑む、竜之助。


「…キレイ?私の手…が?」

「ああ、白くて細くて…。俺なんか、マメだらけの汚い手だからなっ」


竜之助は、自分の両手に目を移す。

その竜之助の隣で、由羅はぼうっと自分の手を眺める。
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