Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
3人の町娘の後ろ姿を、由羅はぼんやりと見つめていた。


もし、どこにでもいるような普通の町娘として生まれていたら、あんな風に他愛のない話をして、楽しそうに笑っていたのだろうか。

もし殺しをしていなければ、手を褒められたことを素直に喜んでいたのだろうか。


もし…忍でなければ、竜之助に嘘をつくこともなかったのだろうか。



今までは、忍という自分に誇りを持っていた。
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