Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「美しすぎて、ため息が出るわいっ」

「戦の疲れも癒されますね」

「まったくだ!」


由羅は、今日も菊葉城に招かれていた。


「ありがとうございます。このような舞でよければ、いくらでも」


豊川家将軍、豊川義秀とその息子である幸秀の前で、艶やかな舞を披露した由羅。

その由羅の美しさに、義秀は惚れ込んでいた。


「…ところで、椿。あの話は、前向きに考えてくれているか?」
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