Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
将軍家と結ばれるのは、貴族や皇族などの姫君と決まっている。


しかし、義秀はというと…。


「堅いことを言うな、椿。良いではないか、ワシがこう言っておるのだから。のう、幸秀?」


義秀の問いに、幸秀は苦笑する。


「父上、少しお酒の飲み過ぎではありませんか?」

「なにを言っとる。ワシは酔うてなどないぞ!」

「酔っておられなくても、そのような大事なお話は、酒のない場でするものです」
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