Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「由羅。菊葉城に招かれているお前であれば、巻物の隠し場所に心当たりがあるのではないか?」


そう言われて、由羅は少し考える。


「…そうでね。いくつか検討はついています。それが何の巻物かによって、さらに隠し場所が絞れるかと」

「さすがだな、由羅。…今夜盗む巻物は、戦の書だ」

「戦の書…」

「豊川家の戦の戦術が記されている巻物だ。おそらく、豊川家と敵対する将軍家からの依頼であろうな」
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