Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
颯はキョトンとして、髪をクシャクシャとかく。


「お前らしくもねぇ。こんなザコ1人に時間を食うなんて」

「す…すまない」

「あまりにも遅いから、俺が一発で仕留めてやったよ」

「えっ…?」


由羅はしゃがみ込み、倒れた竜之助の首元に手をやる。


トクン…トクン…


かすかに、指を伝って刻まれるリズム。

脈が動いているのを感じ取った。


「峰…打ち…?」
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