Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
それは、決してあってはならないこと。


もし正体がバレるようなことがあれば、口封じのために始末しなければならない。


なのに…。


“…なんだよ、刀なんか構えて。俺だよ、竜之助だよ!”


由羅は、竜之助を殺せなかった。


人を殺すことに、なんの躊躇いもなかった由羅。

しかし、竜之助を殺すという状況になったとき、初めて人を殺めたくないと思った。


…いや。
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