Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
その右手は、小刀が仕込まれている帯に添えられていた。



「椿、座ったら?」

「う…うん」


ぎこちない返事をする由羅。


そして、竜之助から2人分くらいの距離を空けて座った。


「今日も豊川様のところに?」

「…そ、そうなのっ」

「このあとは、店に戻るの?」

「…そのつもり。手伝わないといけないから…」

「そっか。椿は相変わらず、忙しいな」
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