Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「夜に賊が城に忍び込んでさ。俺、その賊と一騎討ちでやり合ったんだ」


それ以上先はっ…。


「その賊が、なんと“黒蝶”っていう忍だったんだよ!椿も聞いたことあるだろ?黒蝶の名前くらい」

「う…うん」


由羅の声は震えていた。

平常心を保つことなんて…できなかった。


「結局は、いつの間にか気絶させられてたんだけどなっ」


竜之助…。

なぜ、私の前でそのような話を…。
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