Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
聞く前に、竜之助の首を落とすつもりでいた。


…なのに。

なぜ竜之助は、城の者に黒蝶の正体を密告しなかったのか。


由羅は、その答えが知りたかった。



由羅と同じく、竜之助もまた由羅の出方を窺っているだけで、今この場で、突然竜之助が由羅を捕らえてもおかしくはない。


先の先まで、考えを巡らせていた由羅。

だが、なぜか由羅の質問に、竜之助は少しはにかんだ。
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