Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
由羅は、目を逸らすことなんてできなかった。


しばらく見つめ合う2人。



「…竜之助、今なんて……」

「え?」

「その…、黒蝶の正体がっ…」

「ああ。俺の想っている人って話?」

「…それって、だれ?」


予想もしていなかった竜之助の言葉に、由羅の鼓動の速さは一向に治らなかった。


自分でもどうしようもできないことに、戸惑う由羅。


そんな由羅を竜之助は優しく見つめた。
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