Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「教官、ご無沙汰しております」

「ああ。今夜も依頼かい?」

「はい。颯と共に」

「そうか、颯くんもいっしょか」


教官は優しく微笑みながら、子供たちの練習風景を眺める。


由羅の手本のおかげか、先程よりも的の急所を捕らえているように見える。


「キミたちが、ああして手裏剣の練習をしていたのが、まるでつい昨日のように感じるよ」

「この稽古場と教官には、大変お世話になりました」
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