Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「では、頼んだぞ。由羅、颯」

「はい、父上」

「任せてください!」


由羅と颯はマントを頭から被り、里をあとにした。


2人は、カモシカのように岩場を駆け抜け、渓谷を飛び降りていく。


常人であれば数日はかかる距離を、鞍馬忍者の由羅と颯はわずか数時間で到着した。


辿り着いた場所は、とある城下町。

深夜のため、町は静まり返っていた。


由羅と颯は闇に紛れて、城に近づく。
< 32 / 587 >

この作品をシェア

pagetop