Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
軽々と塀を飛び越え中を見渡すと、暗闇の中に提灯の明かりが見えた。


「へ〜。こんな小さな城でも、一応見張りっているもんなんだな」


颯は興味深そうに覗き込む。


「見張りがいようがいまいが、私たちには関係のないことだ」


由羅はゆっくりと立ち上がる。

そして、顔を隠していたマントをさらに深く被る。


「行くぞ」

「おうっ」


2人は風を切るように駆け抜ける。
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