Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
颯がキョロキョロと由羅を探していると、ふと小さな呻き声が颯の耳に入った。


「…うっ。き…貴様っ…!」


目を向けると、そこには殿様の首に刀を突き刺している由羅がいた。


由羅が刀を抜くと、首からは夥しい量の血液が吹き出た。

そして、殿様は白目を剥き出しにして、そのまま息絶えた。


「…ちょ、由羅っ。殺すの早すぎ」

「悪い。お前が殺りたかったか?」
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