Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
由羅の背中で意識を失っている市に対し、由羅は何度も何度も謝るのだった。



陽が西の空に沈みかける頃…。

ようやく辺りが見慣れた風景になってきた。


そして、竜之助と約束した河原へ向かうと、別れたときと同じ場所で、石に腰をかけて俯く竜之助がいた。


由羅が歩み寄ると、その足音に反応して、竜之助がハッとして顔を上げる。


「由羅…!」


竜之助は、足を縺れさせながら走ってくる。
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