Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
さらに竜之助は、由羅の身も心配していた。


こんな扱い、今までにされたことがあっただろうか。


由羅は反応に困り、竜之助に手を握られたまま戸惑って硬直する。


たが、その誠実な竜之助に、由羅は謝らなければならなかった。

もう…嘘はつきたくない。


「私は無事だ…。ただ…」


由羅は唾をゴクリと呑む。


「竜之助との約束を…破ろうとした」

「俺との約束…?…………もしかして」
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