Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
そんな由羅を、竜之助は大きな心で受け止める。


「なにも謝ることはない。由羅は、市の命の恩人だ。市も由羅も、俺のところに帰ってきてくれた。それだけで十分だよ」


竜之助は由羅を非難するどころか、むしろ由羅に感謝していた。


“市も由羅も、俺のところに帰ってきてくれた”


この言葉に、由羅は救われた。

こんな自分でも、必要としてくれる人がいるのだということを知った。
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