Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「そんな嘘、いらねぇんだよっ!」


颯の突然の怒鳴り声に、由羅は目を見開ける。


「もう何回目だよ?ああして、依頼を降りるのはっ」

「なにを言っている。前回は、参加していただろう」

「ああ、そうだよ。由羅は、ちゃんと参加してたよ。だって前回の依頼は、“盗み”だったからな」


核心を突いたような颯の言葉に、由羅はなにも返せなかった。


…まるで、心を見透かされているかのようだった。
< 375 / 587 >

この作品をシェア

pagetop