Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
忍として生まれ、常に死を間近で見てきた。

人の命を奪うことに、なんの感情も湧かなかった。


それこそが、忍。


そうやって育てられてきた由羅にとって、初めは竜之助の言っている意味がわからなかった。

おそらく同じように育った颯も、理解するのは難しいだろう。


しかし、由羅は変われた。

竜之助のおかげで。


“最強の忍”という扱いではなく、竜之助は由羅を“1人の女の子”として見てくれた。
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