Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
そうして、由羅の正体を知っても尚、由羅を想い続ける竜之助に、由羅は惹かれていった。


だから、…もう竜之助に嘘はつきたくない。


“殺し”からは身を引いたと、素直に言えるようになりたかった。


…由羅の願いは、ただそれだけだった。


しかし、そんな思いが颯に伝わるはずもなく…。


「由羅、お前はだれもが恐れる“黒蝶”だろ!?それがなんだよ、その腑抜けた態度は!?」
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