Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「…べつに、そんなつもりはっ。それに黒蝶だって、なりたくてなったわけではない!」


いつの間にか、周りがそう呼んでいただけで…。

“黒蝶”という名に、誇りを持ったことなど一度もない。


颯は由羅の態度にため息を吐くと、ポツリと呟いた。


「あいつだろ…」

「…え?」

「あの、“竜之助”とかいう男に唆されてるんだろ!?」

「…違う!決して、そんなわけではない!」
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