Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「私は、なにも…変わってなどいないっ」

「…かわいそうに、洗脳までされて。俺がすぐに、あの男から解放させてやるからな」

「…颯!バカなことはよせ!」


そんな由羅の声も、今の颯には届かなかった。


「あの男は、お前の正体…。そして、鞍馬一族のことを知ってしまった。どの道、消される命」

「…待て!竜之助は、他の者とは違う…!!」


そう訴える由羅に、颯は背中を向ける。
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