Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
…それだけだった。



今日1日…様々なことがあったが、常に脳裏に浮かぶのは竜之助の死。


自らの手で、竜之助の命を奪ったという後悔。


おそらくこの後悔が、由羅の心に一生消えない傷となるのは、…由羅自身もわかっていた。


由羅はゆっくりと立ち上がると、墓の前に立った。



「…竜之助。私もそちらへ行ってもいいか…?」



川はキラキラと輝き、雲は穏やかに流れる。
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