Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
その由羅を、櫓から狙う者たちが…。


散らばった小判をすべて拾い終わったその瞬間、由羅の左頬をなにかがかすめた。


目を向けると、足元に矢が刺さっていた。

由羅の頬から、血が流れる。


そして、そのほんのわずかな時間、足を止めたのが命取りになった。

逃げ出す一歩が遅れた由羅は、弓矢の標的に…‼︎


夥しい数の矢が、雨のように由羅に降り注いだのだった。
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