Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
その矢の数々に、由羅は初めて足がすくみ、思わず目を閉じた。



ゆっくりと、強くつむった目を開けると…由羅の目の前にはぼんやりと人の姿が浮かんだ。


「…大丈夫か?」


そこへ助けに入ったのが、春日(カスガ)という名の仲間の忍だった。


春日は、由羅を軽々と担ぎ上げると、疾風の如くその場を立ち去った。



しかし里までへの帰路で、由羅は高熱を浮かされた。
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