Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
由羅は解毒薬の効果もあり、翌日には意識を取り戻したのだった。


「私…昨日……」

「頬をかすめた矢に、強力な毒が仕込まれていたみたいでな。ずっとうなされていたぞ」


里へ戻るまでの記憶はほとんどないが、まだ身体にだるさが残っていた。


「それもこれも、すべて春日のおかげだっ…」

「春日様…」


春日の名前を呟くと、一瞬にして昨日の依頼での出来事が思い出された。
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