Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「父上、どうされましたか?私、春日様にお礼を……」


陽蔵の方が小刻みに震えている。

それを見て、由羅はなにかを悟った。


「由羅!…待てっ!」


陽蔵が止めるのも聞かずに、由羅は外へ飛び出す。


そして、高殿へ急いだ。



「…春日様!」


息を切らして、高殿の扉を開ける。


「由羅様っ…」


なぜか高殿には多くの忍が集まっていて、一斉に由羅に目を向ける。
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