Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「…由羅様。美影がおりません…!」

「なんだとっ…!?」


なんと、さっきまで最後尾にいたはずの美影の姿が、敵兵と共に消えていた。


「まさか…、敵にっ」


もう1人の忍の顔が強張る。


由羅はクナイをしまうと、代わりに懐ろから刀を抜いた。


「私が美影を探してくる」


もう一度、羽織っていたマントを頭から深く被り直す。


「でしたら、私もいっしょにっ」
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