Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
由羅はその兵をヒラリと躱し、鞘で相手の鳩尾を狙って突き飛ばす。


「ゲホッ…ゲホッ…!」


むせ返る兵。


一瞬にして、立場は逆転。

壁に叩きつけられた兵は小刻みに震えながら、由羅を見上げる。


兵の額から、脂汗が滴り落ちる。


「ま…まさか、お前が…黒蝶かっ…!?」

「自分でそう名乗った覚えはない」


由羅はゆっくりと歩み寄る。


「ひっ…ひぃぃぃ…!!」
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