Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
なんとか力を振り絞って立ち上がった兵は、由羅に斬りかかる。


…が、容易く躱され、勢いのまま床に倒れ込む。


兵は由羅に恐れをなして、完全に戦意を失っていた。

床を這うように、へたり込みながら後ろに下がる。


「た…助けてくれ…!お前たちのことは見逃すからっ…!」

「もうなにもしゃべるな。最期くらい、静かに逝け」


由羅は、血のついた刀を振り払う。
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