鈍感男に告白した結果。

その後、あたしは急ぎ足で美術室に向かった。

美術室のドアを開けるともうたくさんの部員が集まっていた。


「りり!今日遅くない??」

そう言って駆け寄ってくるのは
親友の加藤 舞(カトウ マイ)。

絵がすごくうまくて、賞も取れるほどの
腕前である。



「ごめんね、佐野と話してて」


「また“佐野"!本当にりりって
佐野くん大好きだよね」


舞のその言葉で顔が熱くなる。


「さ、佐野はバカだから放っておけないってゆーか」


必死に探し出した言葉だった。


「てかさ、なんでそんなに佐野くんと仲良いの?中学同じだっけ?」


「中学は同じだよ。いつからこんなに
親しくなったかは分からないけど、佐野が
あたしを変えてくれたんだ」


正直な気持ち。

今のあたしは、佐野のおかげで成り立っている。


あたしがこんなに明るくなれたのは
佐野が馬鹿だからっていうのもあるかも知れない。


…いい意味で。
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