あの絵が完成するまでは
私は・・・
私は・・・
空っぽになった頭に、最初に浮かんだのは。
「私は・・・」
「・・・やり残したことが、あったまま死んだ・・・」
それを終えない限り、死ねないと思った。
「そうだな。つまりお前の門は、未練の門だ。」
「未練?」
「ああ。お前は何かしらの未練を持ったまま死んだんだろ。」
「うん・・・」
「さっき言ったよな。オレの審査を受けなければいけないって」
「うん・・・」
「人の心までは読めないからな。オレが今の時点で知ってるのは、お前が何かしらの未練たらたら人間ってだけだ。」
「この門をくぐるべきなのか、審査する。」
「話せ。オレに。」