あの絵が完成するまでは




遠くから見た先輩の顔を思い出し、



辛くて目を閉じた。




「・・・事情はわかったけどさ。
お前は何をしに地上に戻りたいんだよ」




「え?」




「明確な理由は、まだ何も聞いてない」






────そうだ。私は今、未練の門の前に立っている。





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