あの絵が完成するまでは
この門がなんなのか、この人が誰なのか、
それはまだわからないけど、
言わなきゃいけない。そんな気がする。
「わ、私は・・・」
私の、未練は。
やり残したことは・・・
「絵を、描くこと・・・」
あの日私の絵を綺麗といった先輩は、まだどこかにいるはずだから。
好きなことを出来なくなって、どん底でもがいてるはずだから。
「───先輩の心を取り戻す絵を描いて、背中を押すこと!」
なんの為の宣言なのか、はっきりしてしまった未練をどうやって解消するのか、
わからないけどきっぱりと言った。
にやりと笑う、男の顔をしっかりと見て。