♀共学パラダイス♂
「ねぇねぇ、花梨。南條紫苑(ナンジョウシオン)サマって知ってる?」
「しおん・・サマ?」
誰だろう・・
聞いたことあるような・・・
「えぇぇ!花梨知らないの!?
紫苑サマの南條一族は先祖代々すごいお金持ちで、
紫苑サマのお姉さまは外国のすごいお金持ちの貴族と結婚したとか!」
「南條って・・聞いたことあると思う。」
「な、聞いたことあるって・・常識だよぉ!!!」
――――キーン・・・
雪花大声出しすぎ。
耳痛い・・
「紫苑サマのお父様なんか世界的に有名なんだよ!?」
「へ、へぇ・・・」
雪花は大きくため息を吐いた。
そこまであきれなくてもいいじゃん。
ふと窓の外を見ると朝日が顔を出していた。
「雪花!もう朝だよ!」
時計を見るとAM6:00。
「えぇぇ!本当だぁ!6時じゃん!ヤバイー!
じゃぁ、切るね!また学校で!」
――――ピーー
そうだ・・
今日は男の子がいるんだから特別気合入れてメイクしないと・・
アタシは充電器具、ケータイ、メイク道具しか入ってないペコペコの通学バックをもって、美味しい朝ごはんの匂いがするリビングに向かった。