*⋆✩ファントムメィ家のお嬢様✩⋆*
ファントムメィ家のお嬢様
*
…__新学期早々、空が曇っていた。
そんな中、寮を出た私達の表情は憂鬱だが、明るかった。
「うわぁっのえる、手が冷たぁーい」
「文句言わない!しょうがないでしょッセナとは違うんだから」
私は宮村セナ。
そして、、、
私から手を離し、腰に手を当て口を尖らせたのは、花咲のえる。
私の大親友だ。
のえるの手が冷たい理由はこの世界で私だけしか知らない(はず)。
のえるは吸血鬼であり、伯爵の一人娘。
私は魔女と吸血鬼のハーフで公爵の娘。
ここは人間界。
正体隠して学校へ通って一年。
今日から私達は高校二年生になる。
「同じクラスにならないかなぁ~??」
「どうだろうね」
校舎を見上げた。
掲示板の前には同じ制服を着た生徒がたくさん集まっていた。
< 1 / 29 >