*⋆✩ファントムメィ家のお嬢様✩⋆*


…どうしよう。


こんなの今までなかったから…っ


喉がこんなにも渇くなんて…。



「ロゼ…。私の血、飲んで良いよ」


エルが私に近づいてきていた。


「…え?」


「喉が渇くでしょ?私ね、実はロゼのお母様から聞いてる。二年も持たないって事」


「…そうなのか?」


「そう、だよ…。」



「…だったら、俺の血飲めよ」


「え…?」


「ほら、さっさと飲め」


シュエルが首筋を私の口近くに寄せた。


「ロゼ、そうしたら?」


「…でも、」


「いいから、飲めよ」


「本当に?」


「さっさとしろよ。誰かに飲ませるの初めてだから痛くすんな」


…え、初めて?


「ありがとう」


私はシュエルの肩に手を置き首筋を一度だけ舐め、牙を突き立てた。

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