空よりも高く 海よりも深く
4.精霊士への道
ギルドの養成学校は週七日のうち、週末の二日が休みとなる。
ちなみに、週は月に四週あり、第一週目を火の週、二週目を水の週、三週目を風の週、四週目を土の週と呼ぶ。
一年は13ヶ月あるが、1月だけ29日まであるので、全部で365日になる。
これは星際連盟で議長星となっているカーディナル星とほぼ同じであることから、最近ではカーディナル星の暦『星暦』が適用されている。ミルトゥワ独自の暦は『神樹暦』である。ユグドラシェル王朝が正式に始まったとされる年から始まっており、今年で3012年になる。
今日は7月13日。つまり水の週の六日目で、学校が休みになる。フェイレイが帰ってくる。
朝からフェイレイの好きなフルーツタルトを作っていたリディルは、玄関から元気のいい声が聞こえてきた途端、飛ぶように駆けて行った。
「フェイ!」
「リディル!」
弾丸のように突っ込んできたリディルを受け止め、そのままくるりと一回転するフェイレイ。
「フェイ、おかえりなさい」
「ただいまリディル! 元気だった?」
「うん。フェイ、は……」
フェイレイから少し離れ、リディルが顔を上げると、フェイレイの頬と額に大きなガーゼが貼られていることに気づいて翡翠色の瞳を丸くした。
「けが、したの……?」
「ん? ああ、実技の授業でね」
良く見れば、リディルを抱きしめている両腕にも包帯が巻いてある。七分丈のズボンの下からも僅かに白い包帯が覗いている。
「ご、ごめんね、痛かった……?」
「平気だよ!」
「フォレイスに治してもらわないの?」
「自分の回復力を上げないとだから、すぐに治しちゃ駄目なんだって」
「そうなの……。だいじょうぶ?」
「だいじょーぶ!」
にっこりと、何でもないように笑うフェイレイ。だが頬のガーゼの下の腫れ具合は、どう見ても訓練で出来たものではなかった。 リディルに続いてフェイレイを出迎えたランスは、苦笑しながら息子の赤髪を撫でる。
ちなみに、週は月に四週あり、第一週目を火の週、二週目を水の週、三週目を風の週、四週目を土の週と呼ぶ。
一年は13ヶ月あるが、1月だけ29日まであるので、全部で365日になる。
これは星際連盟で議長星となっているカーディナル星とほぼ同じであることから、最近ではカーディナル星の暦『星暦』が適用されている。ミルトゥワ独自の暦は『神樹暦』である。ユグドラシェル王朝が正式に始まったとされる年から始まっており、今年で3012年になる。
今日は7月13日。つまり水の週の六日目で、学校が休みになる。フェイレイが帰ってくる。
朝からフェイレイの好きなフルーツタルトを作っていたリディルは、玄関から元気のいい声が聞こえてきた途端、飛ぶように駆けて行った。
「フェイ!」
「リディル!」
弾丸のように突っ込んできたリディルを受け止め、そのままくるりと一回転するフェイレイ。
「フェイ、おかえりなさい」
「ただいまリディル! 元気だった?」
「うん。フェイ、は……」
フェイレイから少し離れ、リディルが顔を上げると、フェイレイの頬と額に大きなガーゼが貼られていることに気づいて翡翠色の瞳を丸くした。
「けが、したの……?」
「ん? ああ、実技の授業でね」
良く見れば、リディルを抱きしめている両腕にも包帯が巻いてある。七分丈のズボンの下からも僅かに白い包帯が覗いている。
「ご、ごめんね、痛かった……?」
「平気だよ!」
「フォレイスに治してもらわないの?」
「自分の回復力を上げないとだから、すぐに治しちゃ駄目なんだって」
「そうなの……。だいじょうぶ?」
「だいじょーぶ!」
にっこりと、何でもないように笑うフェイレイ。だが頬のガーゼの下の腫れ具合は、どう見ても訓練で出来たものではなかった。 リディルに続いてフェイレイを出迎えたランスは、苦笑しながら息子の赤髪を撫でる。