空よりも高く 海よりも深く
「いいえ支部長。僕も父上と母上に会いに行きます。会って……直接、文句を言いたいんです」
そう言うヴァンガードの肩に、フェイレイがポンと手を置く。
顔を見合わせて微笑み合う2人の少年を見て、アリアは一瞬だけ迷ったが、軽く頷いた。
「分かった。今までの恨みつらみ、言ってやるがいいぞ」
「はい!」
「それなら、通常弾がいるな。この騒ぎで精霊が怯えている。力はほとんど借りられないと思え」
アリアはブライアンを振り返り、すぐに魔銃用の弾を用意させた。それを肩から吊り下げ、ヴァンガードはアリアたちに礼を言って飛行艇に乗り込んでいった。
それを見送ったフェイレイもアリアに笑顔を向ける。
「じゃ、行って来る!」
そう言ってアリアに背を向け、走り出そうとする。それをアリアは止めた。
「フェイレイ」
立ち止まって振り返る息子の首に腕を回し、ふわりと包み込む。
いつの間にかこの腕の中には収まりきらなくなってしまった息子を、ありったけの想いを込めて抱きしめた。
「必ず生き延びろ」
引き留めたい想いを振り切るように、声に力を込める。
「……母さんも」
アリアの想いを受け止め、フェイレイも軽く抱きしめ返した。
そしてすぐに離れ、ヴァンガードの後を追って飛行艇に乗り込んでいく。その直後、飛行艇は空へ飛び立っていった。
アリアはそれを見上げる。
星府軍の無敵艦隊を率いる、巨大戦艦『ティル・ジーア』。
そこに迫っていく白い機影を、祈るような気持ちで見送った。
そう言うヴァンガードの肩に、フェイレイがポンと手を置く。
顔を見合わせて微笑み合う2人の少年を見て、アリアは一瞬だけ迷ったが、軽く頷いた。
「分かった。今までの恨みつらみ、言ってやるがいいぞ」
「はい!」
「それなら、通常弾がいるな。この騒ぎで精霊が怯えている。力はほとんど借りられないと思え」
アリアはブライアンを振り返り、すぐに魔銃用の弾を用意させた。それを肩から吊り下げ、ヴァンガードはアリアたちに礼を言って飛行艇に乗り込んでいった。
それを見送ったフェイレイもアリアに笑顔を向ける。
「じゃ、行って来る!」
そう言ってアリアに背を向け、走り出そうとする。それをアリアは止めた。
「フェイレイ」
立ち止まって振り返る息子の首に腕を回し、ふわりと包み込む。
いつの間にかこの腕の中には収まりきらなくなってしまった息子を、ありったけの想いを込めて抱きしめた。
「必ず生き延びろ」
引き留めたい想いを振り切るように、声に力を込める。
「……母さんも」
アリアの想いを受け止め、フェイレイも軽く抱きしめ返した。
そしてすぐに離れ、ヴァンガードの後を追って飛行艇に乗り込んでいく。その直後、飛行艇は空へ飛び立っていった。
アリアはそれを見上げる。
星府軍の無敵艦隊を率いる、巨大戦艦『ティル・ジーア』。
そこに迫っていく白い機影を、祈るような気持ちで見送った。