空よりも高く 海よりも深く
「大人しく首を寄越しなさい。そうすれば苦しまずに星に還れますよ」
「だ、だれがっ……」
「抵抗は無意味です。貴女の命でこの国は救われるというのに」
「……っん畜生!」
上段から振り下ろされた剣を、アリアは掌で受け止め、刃を掴んだ。両者の動きが止まる。
「……私の首ひとつでセルティアが救われるというのなら、喜んで差し出そう。だが……一体、何を企んでいる!」
剣を受け止めたグローブが引き千切れ、掌からはボタボタと血が流れ落ちていく。
だがアリアもアレクセイもそんなものには目もくれず、ただ、互いの目の奥に潜む真実を見やった。
「死にゆく貴女が知る必要はありません」
「聞くまで死んでやるものか」
睨み合っていると、飛行艇からガルーダが飛び出してきた。
「アリア!」
「来るな! 手ぇ出すな!」
アリアは渾身の力を込めてアレクセイの剣を弾き、青白い闘気を纏わせた拳を連打して攻め込んだ。
アレクセイはこれを冷静に受け流し、身を翻しながら後ろ回し蹴りを放った。アリアはこれを避けつつ一歩踏み込み、飛び上がりながらアレクセイの顎に掌打を叩き込んだ。
更に追撃しようとすると、ゾワリと悪寒がしてさっと横に跳んだ。今までいた場所には鋭い刺突が繰り出されていた。避けなかったら心臓を一突きにされていたところだ。
「本気で行かないと、貴女を苦しめそうですね」
アレクセイの闇色の目が、一層鋭さを増す。
踏み込みが見えない。剣を振り被る動きが見えない。
アリアは全ての力を防御に回したが、それでも吹き飛ばされた。滑走路を転がっていくと、追撃してきたアレクセイが上から剣を突き立ててきた。
それを転がることで回避し、すぐに立ち上がったものの、下から掬い上げるようにして襲い掛かってきた剣に吹き飛ばされた。
頬を抉られて、更に滑走路に叩き付けられる。
「アリア!」
ガルーダが魔銃を構えると、四方八方から兵士たちに銃を向けられてしまった。ガルーダだけならまだしも、飛行艇の中には負傷したマックスライアンがいる。無茶は出来ない。
「く……」
冷や汗を流すガルーダの目の前で、アリアの心臓に剣が突き立てられる。
「だ、だれがっ……」
「抵抗は無意味です。貴女の命でこの国は救われるというのに」
「……っん畜生!」
上段から振り下ろされた剣を、アリアは掌で受け止め、刃を掴んだ。両者の動きが止まる。
「……私の首ひとつでセルティアが救われるというのなら、喜んで差し出そう。だが……一体、何を企んでいる!」
剣を受け止めたグローブが引き千切れ、掌からはボタボタと血が流れ落ちていく。
だがアリアもアレクセイもそんなものには目もくれず、ただ、互いの目の奥に潜む真実を見やった。
「死にゆく貴女が知る必要はありません」
「聞くまで死んでやるものか」
睨み合っていると、飛行艇からガルーダが飛び出してきた。
「アリア!」
「来るな! 手ぇ出すな!」
アリアは渾身の力を込めてアレクセイの剣を弾き、青白い闘気を纏わせた拳を連打して攻め込んだ。
アレクセイはこれを冷静に受け流し、身を翻しながら後ろ回し蹴りを放った。アリアはこれを避けつつ一歩踏み込み、飛び上がりながらアレクセイの顎に掌打を叩き込んだ。
更に追撃しようとすると、ゾワリと悪寒がしてさっと横に跳んだ。今までいた場所には鋭い刺突が繰り出されていた。避けなかったら心臓を一突きにされていたところだ。
「本気で行かないと、貴女を苦しめそうですね」
アレクセイの闇色の目が、一層鋭さを増す。
踏み込みが見えない。剣を振り被る動きが見えない。
アリアは全ての力を防御に回したが、それでも吹き飛ばされた。滑走路を転がっていくと、追撃してきたアレクセイが上から剣を突き立ててきた。
それを転がることで回避し、すぐに立ち上がったものの、下から掬い上げるようにして襲い掛かってきた剣に吹き飛ばされた。
頬を抉られて、更に滑走路に叩き付けられる。
「アリア!」
ガルーダが魔銃を構えると、四方八方から兵士たちに銃を向けられてしまった。ガルーダだけならまだしも、飛行艇の中には負傷したマックスライアンがいる。無茶は出来ない。
「く……」
冷や汗を流すガルーダの目の前で、アリアの心臓に剣が突き立てられる。