夏彩憂歌
おばあちゃんに会えるのは、1年のうちこの1週間だけだ。

おばあちゃんのことは大好きだし、会いたいと思う。
それから、何よりあたしの顔を見たときにおばあちゃんが見せてくれる、顔に刻まれた皺をより一層深くしたくしゃくしゃな笑顔が大好きなんだ。

だからあたしは、今年もここにいる。

だけど、年を重ねていくたび、ここがどんどんつまらない場所に思えてくる。

何もないし。

ああ、本当にツマンナイ。

あたし、あと5日以上も耐えられるかな。
宿題だってとっくに終わっちゃってる。

何もすることないよ。

こんな、田舎町でさ。
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