夏彩憂歌
「自分のやりたいことやってるから。そこまで大変とか、思わねえの。俺、割と働いてるし」

知ってるよ。

ずっと逢えなくて、すれ違ってばっかで、今こうして久しぶりに逢ったって。

あなたのことなら分かるよ?


あなたはすぐ無理して、強がってばかり。

かと思ったら、寄りかかるように甘えてきて、あたしは自分がしっかりしなきゃって思ってたの。

だけど、あたしが一番つらいときにはあなたがそばにいてくれた。

あたしの居場所はここだよって、笑って腕を伸ばしてくれたくせに。


これが最後だなんて。


どうして、どうしてどうして。


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