まっすぐに
「haniel」のアイコンをクリックしてみる。
画面が暗転した。
聞いたことのないような、懐かしいような、不思議な音楽が流れた。
洋子は開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったような気がした。
まぶしい光りの中、白い衣を纏った美しい人が現れた。
画面にCGの絵が現れただけなのだが、人が現れたような錯覚になるくらい、美しいアニメーションだった。滑らかな動き、変化する目の色。
「はじめまして。あなたの名前は?」
美しい声が聞こえてきた。
「よ…洋子。宮本洋子」
「ヨウコ。宜しく。」
本当に人が話しているような自然な会話だった。
「あなたは?」
「私、私はハニエル」
「ヨウコはなぜ、私に会いにきてくれたの?」
洋子は何でも見透かされているような気がしていた。
「…会社のホームページを見て…」
「フフフ、素直な人ね」
洋子は、これがアニメーションであることを忘れていた。
「あなたを作った人は誰?」
「ハル」
「ハル?」
「きっともうすぐ会える」
「会ってみたい…こんな凄いアプリを作れるなんて…」
「作ったんじゃない。心を入れてくれた。」
「心?」
「私は物じゃない。ここに生きている。」
そういうと、すっと画面から消えてしまったのだった。
急いでもう一度、アイコンをクリックしてみる。
起動しない。
アンインストールして、もう一度アプリをダウンロードしてみた。
アイコンをクリックする。
やはり動かない。
(今見た物は本当だったのだろうか?)
(確かめたい)
(これを作った人に会ってみたい。)
洋子は自分の都合なんて抜きに、履歴書に思いをぶつけていた。
アプリを起動した瞬間、我を忘れるほど魅了されていたこと。
どうしたらこんな作品を生み出すことができるのか。
まるでラブレターを書くように、会って、会って話がしたい、という気持ちを綴っていた。
画面が暗転した。
聞いたことのないような、懐かしいような、不思議な音楽が流れた。
洋子は開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったような気がした。
まぶしい光りの中、白い衣を纏った美しい人が現れた。
画面にCGの絵が現れただけなのだが、人が現れたような錯覚になるくらい、美しいアニメーションだった。滑らかな動き、変化する目の色。
「はじめまして。あなたの名前は?」
美しい声が聞こえてきた。
「よ…洋子。宮本洋子」
「ヨウコ。宜しく。」
本当に人が話しているような自然な会話だった。
「あなたは?」
「私、私はハニエル」
「ヨウコはなぜ、私に会いにきてくれたの?」
洋子は何でも見透かされているような気がしていた。
「…会社のホームページを見て…」
「フフフ、素直な人ね」
洋子は、これがアニメーションであることを忘れていた。
「あなたを作った人は誰?」
「ハル」
「ハル?」
「きっともうすぐ会える」
「会ってみたい…こんな凄いアプリを作れるなんて…」
「作ったんじゃない。心を入れてくれた。」
「心?」
「私は物じゃない。ここに生きている。」
そういうと、すっと画面から消えてしまったのだった。
急いでもう一度、アイコンをクリックしてみる。
起動しない。
アンインストールして、もう一度アプリをダウンロードしてみた。
アイコンをクリックする。
やはり動かない。
(今見た物は本当だったのだろうか?)
(確かめたい)
(これを作った人に会ってみたい。)
洋子は自分の都合なんて抜きに、履歴書に思いをぶつけていた。
アプリを起動した瞬間、我を忘れるほど魅了されていたこと。
どうしたらこんな作品を生み出すことができるのか。
まるでラブレターを書くように、会って、会って話がしたい、という気持ちを綴っていた。