まっすぐに
胸が熱くなった。
色々なことを思い出しているうちに、元の所に戻ってきていた。
あっという間に近所を一周してしまった。
予定の場所には、古びた小さな平屋しかない。

突然、その平屋のドア開いて誰か出てきた。

肩まで伸びたぐじゃぐじゃの髪、黒縁メガネに、伸びた髭。紺色の上下スエット。甲が破れたサンダル。

「君、面接の人だろ?」
「は、はいっ」
(こんな格好じゃ違うなんて言えないわよね…)
「あの、ここ、ホープ・クリエイティブですか?」
「そうだけど。」


「中、入って。」
そう言って後ろを向いた男の背中には、初音ミクがプリントされていた。

(うそ~~~~~~!!!きもっ)

「早く!」
(足が動かない…)
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