淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
《澪へ》
この手紙を見ていてくれるということは目が覚めたんだな
どうだ?この最初の1文を読んで、既にもう手紙を閉じたくなったか?
もしそうだとしても最後まで読んで欲しい
きっとこれがお前に出す最後の手紙になるだろうから
俺には謝らなければならないことが山積みだ
それに、それらは謝って済むことだとも思っていない
澪が5歳のころからずっとずっと苦しめた
俺は愛し方を間違えていた
きっと今のお前の感情を表に出さない性格も俺が作ってしまったんだろう?
ごめんな…
お前をそんなふうにした俺が言えることじゃないのは重々承知だが、俺はもう1度お前の笑顔が見たい
いや…見れなくてもいいから、昔みたいな笑顔で過ごして欲しいと思っている
なぁ澪
俺が作ったお前の傷は俺が消してやることは出来ない
でもきっと碓氷が消してくれる
お前ら2人は支え会える存在だと思うんだ
だから絶対に幸せになってくれよ
本当にごめんな
こんな俺だけど
これからもずっとお前の幸せを祈ってる
図々しいが最後に兄貴ヅラさせてくれ
お前は真っ直ぐに人を愛せよ
…………手紙の内容を繰り返して3回目
段々まぶたが重くなってくる
そして
最後の1文を繰り返した直後
俺は深い眠りに落ちていた