淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
「あ!澪さん!こんちわっす!!」
一階の広場へ足を踏み入れた瞬間、頭を下げてくれる琉依くんに
そして、その後で頭を下げる大勢の下っ端さんたちに
「こんにちは。見回りお疲れ様です」
私もペコリとお辞儀した
「悠雅は?」
海の一言で、顔を上げて辺りを見渡す
……いない
緊張してたからホッとしたのもあるけど、やっぱり少し残念
「悠雅さんなら今本家からこちらに向かってると連絡がありました」
「あーおっけ!
じゃあ先に部屋に戻っとくかー」
「そうですね。
上の広間で皆でお茶会でもしますか?」
……暴走族が………お茶会?
「それはす…凄く趣味がいいわね」
「酒祭り、の方が合っていますかね?」
………う
蒼の笑顔が黒すぎて、3秒も目が合わせられない
「でもその前に、幹部室を片付けてくるわ」
ウェディングドレスの雑誌が散らかっていて
悠雅が帰ってきたらまずいことになる