淡く儚い恋物語 Ⅱ ~貴方との夢~
困惑と驚きと不安で瞬きするのを忘れていた私の瞳はあっという間に乾いていく
「…なんで?
なんで…残念なの?」
気づいたら聞いていた
聞いたら悲しみに潰されてしまうかもしれないと思ったけど、私の口は勝手に動いていた
すると
ドサッ
その質問を待ってましたと言うように悠雅の口角が上がり、上半身を起こしていた私は押し倒された
「……へぁ!?」
思わず変な声が出たけれど、恥ずかしいと思う前に今までで1番熱いものが唇に押し付けられていた
優しい優しいキスから悠雅の熱が伝わる
何十回、何百回としてきたキスなのに
今までで一番緊張した
「…はぁ…はぁ」
唇が離れたのは数分経った後で、私の息は乱れていた
上唇を舌で舐めた悠雅にドキリと心臓が飛び跳ねる
「言わなくても分かれ
子供が産まれたらお前を独り占めできなくなるだろーが」
「っっっ!!」
そうだった……
この男は心臓を破壊させるのが特技だった